先生、ずっと愛してる。
チラッ−−




智希の方を見ると、『俺は知りません』って顔で目を反らす。




「あ〜なるほどね〜。そりゃ心配だわ。彩音、かわいいから」




「かわいくないよ〜。それは梨華でしょ?」




「彩音だって!!彩音の事、狙ってる人いっぱいいるよ」




「そう?」




「たちの悪い人もいるけど…」




梨華の目線の先には…




真剣な眼差しで、こっちを見てる中田先生。




「はぁ〜…いつになったら諦めてくれるんだろう…」




「大丈夫だよ。瀬名っちが守ってくれるって」




「うん…」




最近は、何もしてこないから、何か裏でよからぬ事を企んでそうで怖いんだよね…




校長先生も何でこんな奴、気に入ってんだか…




まぁ…猫かぶってるんだろうけど。




「中田先生…前はこんな人じゃなかったのに…」




梨華のその一言が気にはなったが、あえて何も聞かなかった。




情に流れて許してしまいそうな気がしたから。




好きになるとか、そういう意味じゃなく…今までの行為の事全て。




私…前に見た、あの悲しそうな目が頭に焼き付いて離れないんだ。




私も同じような目をしてた時期があるから…




でも…絶対に情には流れたくない。




あんなにカッコイイ顔しといて、何で私なんだろ?




彼氏がいるのは知ってるのに…しかもその彼氏が自分と同じ立場だって言うのも知ってる。
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