先生、ずっと愛してる。
「本当に何もされてない…?」




「うん…ギリギリ大丈夫だった」




もし…あの時、智希が来てくれなかったら…と思うと…本当に怖い。




今頃、体中が震えてきた。




「本当…よかった」




そう言って、私は思いっきり智希に抱きしめられた。




「智希…ゴメンね。確認もしないでドア開けたりしたから…」




絶対…怒られると思った。




呆れられると思った。




「ちゃんと分かってんじゃん」




そう言って、頭を撫でられた。




今までの張り詰めてた空気がプッツリと切れて、涙が溢れてきた。




「智希…怖かった…」




「ゴメンな。怖い思いさせて。あいつの事は早めに何とかするから…あんまり関わんなよ」




「うん…」




不思議…智希に抱きしめられるだけで、さっきまで震えてた体は震えなくなった。




智希の優しさに包まれる。




すっごく愛されてるのが分かる。




もうこの愛を失くしたくはない。




「修学旅行が終わったら…家に来る?」




「いいの…?」




「あったり前じゃん。誰にも邪魔されずに、朝まで一緒にいられる」




久しぶりだよね…?




朝まで一緒にいられるの…。




「ただ…ちょっと、散らかってるけど…」




「うん、いいよ(笑)」




智希って…掃除が苦手だったんだっけ。




何はともあれ、また幸せな日々を送れるんだね。
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