先生、ずっと愛してる。

智希の目から涙が溢れる。




いつかも…智希の泣いてる姿を見た。




そう…。学校で、生徒に告白されてた時…。




泣いた理由が、分かった気がした。




人を傷つける事が怖いんだ…。




「それから…携帯も変えて、番号もアドレスも変えた。女とも遊ばなくなった。そんな時にさ…彩音…お前に出会ったんだ…」




智希の手が、ギュッと私の手を包む。




不安なんだ…。私に嫌われるんじゃないかって…。




大丈夫。私、智希から離れたりしない。




「俺…初めて人を本気で好きになったんだ…だから、彩音の事、どうしても大事にしたい」




「智希…」




私の目からも、自然と涙が溢れていた。




「俺…本気な気持ちで女を抱いた事ないから…どうしていいか分からなかった」




だから…手出してこなかったんだ…




私…それを寂しいなんて思っちゃって…最低だな。




「こんな俺でも…ついてきてくれる？」




「当たり前じゃん。智希じゃなきゃ嫌だ！」




「彩音…」




ライトアップされた光りに照らされながら、キスをした。




「俺と…結婚して下さい」




「はい…」




「って、まだまだ先だけど」




そう言って、私の薬指に指輪をはめてくれた。




「予約済みのシルシ。本物は、その時がきたらな」




ご飯を食べてる時も、ずっと指輪を眺めてた。




ただ…うれしくて…




「何か…俺…指輪に嫉妬してるんですけど？」




あんまり、指輪ばっかり見つめてるから…智希が怒ってた。