先生、ずっと愛してる。
智希は異動はないって言ってたから、見る必要はないって思ったんだけど…




周りを見ると、泣いてる人がチラホラいた。




えっ…!? まさか…




昨日の今日で、智希の異動が決まったとか…!?




焦る気持ちを押さえ、貼り紙を見ると、驚く名前が書いてあった。




「え〜!!中田先生、異動しちゃうの〜!?」




「……だね」




安心したというか…異動しちゃうんだ…っていう気持ちにしかならない。




でも…中田先生の事は忘れないと思う。




キーンコーンカーンコーン。




「あっ!!彩音、行くよ」




「うん…」




結局、遅刻すれすれだよ。




隣同士の席は、あきらめないとね…。




ガラッ−−−。




「あ〜、2人とも遅い〜。でも安心して?席はとっといたから」




「ありがとう」




梨華と2人、そう言って見渡すと…




1番前の教卓の前と、その横が開いていた。




「いや〜、1番前…」




クラスからは笑われるし…。




ツバが飛ぶ担任だったら…最悪だよ。




「彩音は教卓の前がいいよね?」




「えっ…!?嫌だ!!」




梨華と2人、もめてると教室のドアが開いた。




開いたのと同時に、悲鳴が上がる。




こんな光景…1年前にも見たような…




振り向くと、満面の笑みの智希が立っていた。




ウソ…………でしょ…?
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