先生、ずっと愛してる。
ピンポーン。




来た!!!!




玄関のドアを開けると、眩しいくらいの笑顔で先生が立っていた。




「遅くなってゴメンな。なかなか帰してもらえなくてさ」




先生の事、考えてたら時間なんて忘れてた…




なんて…言えるわけもなく…適当に笑ってごまかした。




先生は何をやっても本当にカッコイイ。




髪をかきあげる仕草、メモをとる姿から、お茶を飲む姿まで…




何でもない仕草なのに、何でそんなにカッコイイんだろう…




きっと…先生じゃなかったら気にも留めないんだろうね。




先生の事、好きじゃなかったら…きっと、どうでもいい事だよね。




「何杯もお茶飲んだけど、やっぱり上原の入れるお茶が1番うまいな」




先生…そんな事、サラっと言ったりしないでよ…




ドキドキが止まらなくなるって知ってる?




ただでさえ、先生と2人っきりでドキドキしてるのに…




先生にまで、このドキドキが聞こえちゃいそうだよ…。




「あれから、椎名には何もされてない?」




「はい…何も…」




怖いくらいに何もない。どんな手を使っても欲しいモノは自分のモノにしてきた人なのに…




先生の事…あきらめたのかな…?




それとも…先生がきつく叱ってくれたから?




どっちにしろ、もう関わりたくはない。
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