先生、ずっと愛してる。

「椎名の担任には、それとなく言っておいたんだけど、ずっと気になってたからさ」




ここんとこ、先生は放課後、家庭訪問で忙しくてあんまり話す機会なかったからね。




先生とちゃんと話せるのは放課後、室長の仕事を一緒にやってる時ぐらい。




先生の周りには、いつ見ても生徒でいっぱいだから。




あの中に入りたくはない。




みんなと一緒に笑いかけて欲しくない。




私には、私だけに笑いかけて欲しい…。




「悩みとかある？」




最近、悩んでる事は先生の事ぐらいだよ？




言ってもいいの…？




困らせたくはなかったけど…私も正直、限界だよ…。




「先生…どうしてあの時、私にキスしたんですか？」




「えっ…？」




聞かなきゃ…よかった…。




私、何を期待してたんだろう…。




「あー…あのキスに意味はないから…。単なる気まぐれと言うか…どさくさまぎれと言うか…ゴメン。忘れてくれ…」




言葉がでない…。




やっぱり…先生はプレイボーイだったんだね…




キスなんて…挨拶程度だよね？




忘れてくれ？




私には無理だよ…。




そう簡単に忘れる事なんてできない…




先生が忘れろって言うんだったら、忘れたフリぐらいはするよ…




でも…そうとう頑張らないと、そんな事できない…