気付いた恋
ー――ー―ー―ー再びセミが鳴き出し、止まっていた時間も動き出す。
彼はかばんを掴むと、走って教室から飛び出していった。
彼の顔が赤かったのは夕日のせいか、それとも………
私は彼の言った言葉をもう1度、自分の頭の中で再生してみる。
そして私しかいない教室で、1人呟く。
彼が言った言葉に、返事をするように。
遅くなったかもだけど、やっと認めようと思う。
「私も………好き………」
私は彼を追いかけて、教室を飛び出した。