傷だらけの王子サマとお姫サマ
俺は、その場から無我夢中で走った

きっと、今日は母さんが家にいる

ガチャッ
「・・・ただいま」
小さな声で言う

「りく、お帰り」
リビングから出てきた母さんは、弱々しい笑顔じゃなくて、明るい笑顔

「ただいまっ!」
それだけで、嬉しかった

だけど、そんなの一瞬だった

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