傷だらけの王子サマとお姫サマ
リク君・・・・
りくそう呼ぶのは
母さんと父さん、そしてレンとナツだけだった

その4人以外には呼んでほしくなかった
今日初めて会った奴なんかに・・・・
呼んで、ほしくなかった

拳を握りしめて下を向く

「・・・っりく、一緒たいすけさんの場所へ行かない?」
きっと、俺がよく思ってないことに気づいた母さんは、寂しそうに言った

「いいよ、行こう」
もう、ここには何も残ってない
レンも
ナツも
イナイ
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