傷だらけの王子サマとお姫サマ
【希緒side】
「今日は、どこ行こうか~」
隣でふわりと笑ってる月華

大好きな、親友。


・・・そう思ってるのは、私だけ?

きっと、なにかを抱えてる。
月華は、無意識なのかもしれないけどたまにどこかを見て、すごく寂しそうな顔をするんだ。

その視線の先には、いつも幸せそうな家族が映っている。


たしか、月華のお父さんは有名な会社の社長。
家にもあんまり帰ってないみたいだし、、、きっと寂しいし、怖いんだと思う。


話してくれたら、毎日でも私の家でお泊り会するし。たくさん遊ぶし、寂しくならないようにする。

大好きだから。
大切だから。


だけど、月華の口からは弱音も一度も聞いたことがない。
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