幼なじみって何ですかっ!
「青藍高校かい?
そこなら、このバス通りをずーっと
真っ直ぐ行ってから、2番目の角を曲がって…」
こんな日に限って、私たちはスマホを持ってきてなかった。
私はもってきてたんだけど、
充電してなかったせいで電池切れ。
和樹に関しては、スマホが行方不明とか
訳わかんないこと 言ってて。
そこでしょうがなく、そのあたりにいた
おばさんに道を教えてもらっている。
「あ、右ですね。分かりました!
丁寧に教えていただきありがとうございます!!」
あ、聞いてるのは もちろん和樹ね。
私は観察中。←
「…んん?アンタ、あのテニスの 菊川和樹くんじゃないかい?」
…お。
「えっ、ご存知なんですか!嬉しいです!!」
さすが和樹。
おばちゃん人気はそこそこある。
「いつもテレビで見てるからさ。これからも頑張ってなぁ」
「はいっ!頑張ります!!」
和樹は、今日一番の笑顔でこたえた。
…おばちゃーん。
『笑顔が爽やかなイケメンだ』
って思ってるだろうけど、
こいつ、そんな奴じゃないですからねー。
作り物の外見にだまされないでー。
「…お前、また俺のこと 毒づいてるだろ。」
「えーなんのこのやらー。」
「嘘つけっ!!」