幼なじみって何ですかっ!
これが、わたし達の通学路になるのか…。
んー…実感湧かないなぁ。
そんなことを思いながら、ぼーっと
歩いていたら。
「…なあ海玲、入学式って何時からだったっけ?」
和樹が後ろのほうで急に立ち止まり、私に訪ねてきた。
「え?えっと、9時からだったと思うよ?」
私は頭の中から、今日の予定についての
記憶をひっぱり出した。
「そうだよな…うん…。」
和樹は腕を組み、何やら考えているようだった。
そう、確かに9時だった。
でも…それが何だっていうんだろう?
そんな呑気な考えは、次の瞬間崩れ去る。
「今、8時45分だぜ?」
「…。え、何?もっかい言って?」
出来れば聞きたくないようなことを
聞かされた気がする。
あ、ちなみにこの場所から 学校までは、
頑張って20分くらいで着く。
「だから!このままじゃ遅刻だってことだよ!!」
「…」
「…」
…今日の午前8時半過ぎ、この辺りには女子高生の、素っ頓狂な叫び声が響きわたったんだとか。