心温【短編】完
「…こんなにっ!こんなに苦しいなら!!
いっそ心なんていらなかった…!!
望まなければよかった!…君に会わなきゃ良かった!!」
ポタっポタっと小さな雫が彼女の顔に落ちる。
「そ、んな…悲しい…こ、とい、言わないで…」
声ももう聞こえるか聞こえないか。目も力なく下がっていく。
「だめだ!行かないで!!
…っ僕を、一人にしないで……!
お願い、お願いだから…」
すがるように言うが彼女は小さく笑うだけだった。