心温【短編】完


もうほとんど動かない身体を腕だけでずりずりと彼女の元へ引きずる。


ようやく彼女の隣まで着きその手を握る。


「家、壊れてしまったね…二人で直さなきゃ。

そうだ、僕今度魚釣りというものがしたいんだ。大きい魚を取って君に食べさせてあげたい。

それと、もう一度あの丘にも行こう。花を摘んで君にプレゼントするんだ。君は喜んでくれるだろうか…?

あぁ…、こんなにもやりたいことがあるのに君がいなきゃ何も出来ないじゃないか…」


温かい何かが頬を伝う。


「これはなんだろう…?もしかして涙?フフッ、ロボットのくせにおかしいね」


視界が霞んできた。そろそろ限界かな。もっともっと君と一緒にいたい。



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