心温【短編】完
「そう。僕は国境線で戦っていた。でも…なぜあそこで倒れていたのかわからない。それに上部からの命令も消えてしまっている…」
記憶処理部分がまだ直りきっていないのかもしれない。
ーーただ彼は大切なものを忘れているような気がしてならなかった。
「そっか。…じゃあ一つ提案。上からの命令がないってことは行くあてないんだよね?国境線も今は落ち着いてるしあなたもその状態じゃとても戦えないだろうし、直るまでここにいなよ」
彼はそうする他なさそうだと判断し、彼女の提案を受けた。