桜の龍~誠の元に集う者~
 山「渡辺君。少し、よろしいでしょうか?」
 歩「山南さん?どうぞ」
 私の部屋を訪ねて来たのは、自らの式を肩に乗せた山南さんと源さんだった。
 源「すまないね、渡辺君」
 歩「いえ、お構い無く。どうなさいました?」
 山「最近、白夜と三郎の様子が変でしてね」
 そう言われてみれば、確かに白夜と三郎の元気というか霊力が無い。
 三・白『歩様~……』
 歩「どうした?おいで」
三郎と白夜を私の目の前に座らせ、指先で印を切り、自らの霊力を直接、流し込む。
 歩「・・・破!」
 僅かに疲労感を感じながらも、二人の危険回避の為にも、自らの術に集中する。
霊力を流し込み終え、三郎と白夜を見ると嘘のように元気になっていた。
 歩「・・・ふぅ。どうだ三郎、白夜?」
 白・三『有難うございます、歩様!』
 歩「それにしても・・・一体どうした、霊力を切らすなど」
 白『実は、この京の都を護る霊気に最近、綻びが出始めて』
 三『その修復の為、霊力を使い過ぎてしまい』
 なるほど、それでか。
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