桜の龍~誠の元に集う者~
 しばらく待っていると、廊下を歩く3人分の足音が聞こえ始め、襖の前で止まった。
 
 斎「副長、近藤局長と山南副長をお連れしました」
襖の向こうから、斎藤さんの声が聞こえる。
 土「入ってくれ」
すると、襖が開いてそこから斎藤さんと日本史の教科書で見たことがある人物が2名、入ってきた。
 歩「局長の近藤勇(こんどう いさみ)と副長の山南敬介(やまなみ けいすけ)。写真がじゃない、本物だ・・・・・・」
すごいよ~私。歴史上の偉人が目の前にいるという事実が、お前には信じられるか?!
 でも、私の呟きを地獄耳が聞いていた。そう、あの鬼だ。

 土「てめぇ、なんで2人の事まで知ってる?さては長州の間者か?」
 歩「違います、常陸生まれの江戸育ちですよ」
文字どおり、茨城生まれの東京育ちだい!ちゃんとした事実だ!!!
 沖「じゃあ、何でここにいる全員の役職を知っていたのかな?」
 しょうがない。運を天にまかせて話すとするか。
 近「トシ、その子はどうした?」
 土「総司と斎藤が連れて来たんだ。丁度いい、お前の素性を話せ」
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