桜の龍~誠の元に集う者~
 ひとまず雫に私の隊服を羽織らせ、立たせる。
 歩「何はともあれ、ここに長居すると目立ちます。ひとまず平助や山南さん達と合流し、屯所に戻りましょう」
 土「そうだな。暁、出番だ!!」
 一「ヤシロ、お前もだ!」
 私の言葉に頷いた土方さんと一は、自分の式神を呼び出した。
 暁・ヤ『『お呼びですか?』』
 土「山南さん達と合流したい。ここにまで連れてきてくれ」
 一「ヤシロは平助達を頼む」
 暁・ヤ『『承知!』』
 暁とヤシロがそれぞれを呼びに行った頃、私は雫に簡単な事情説明をしていた。
 歩「雫、落ち着いて聞いて。ここは幕末の京都、私と同じでタイムスリップしてしまったの」
 雫「嘘でしょ?!」
 平「おーい、土方さーん!」
 源「総司!」
 雫が混乱状態に陥ったと同時、山南さん達が合流。






 全員で屯所に帰還し、各々が自室へと解散する頃、土方さんが私に釘を差した。
 土「渡辺。今日はもう遅い。今夜はお前が責任取って面倒見とけ」
 歩「はいはい。雫、ついてきて」
 雫を連れて自室に戻り、雫に掛けた羽織を脱がして畳むと、予備の布団と寝間着を押入れから引っ張り出す。
 雫「歩。ここは幕末って、本当なの?」
 歩「そう・・・。信じられないだろうけど、これ、持ってみて」
 私は腰に差した『桜花龍』を雫に持たせた。
 雫「重い・・・。これ、まさか!」
 歩「そう、真剣だよ。はい、雫の布団は敷いておくから、その寝間着に着替えて」
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