桜の龍~誠の元に集う者~
 山「でしたら、渡辺歩夢というのはどうでしょう?」
 歩「それで構いません」
 せっかく両親が考えた名前だもの、ちゃんと使わないと。
 沖「じゃあ本名である歩って呼ぶのは、僕達だけという事にしません?」
悪戯心が刺激されたらしい沖田さんが、こんな事を言い出した。
 土「そいつは名案だ、総司。そうすりゃ、芹沢の目も欺ける」
 芹沢さん?嗚呼、あの芹沢ね~。
 歩「芹沢鴨(せりがわ かも)。本名・下村継次(しもむら つぐじ)。壬生浪士組 局長筆頭」
歴女の知識を嘗めて掛からないで。
 土「未来から来たんだから、知ってて当たり前か。いいか、芹沢さんには絶対に近付くんじゃねぇぞ!分かったな」
 歩「承知しております。私自身、様々な壬生浪士組に関する文献を調べて見ましたが、悪名だけしか伝わっておりませんでしたから」
ご安心下さい。いくら同郷とは申せ、そんなヘマしません!
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