桜の龍～誠の元に集う者～

　沖田さんは稽古を一旦中断し、自分の部下である一番組の隊士を全員呼んだ。
　沖「話は昨日したね？彼がこの組の副組長になった、渡辺歩夢君。凄腕の剣客であると同時に、薙刀の名手でもある」
　歩「よろしく頼む。拙者にとって、ここは未知の世界だ。色々と教えて欲しい」
　隊1「か、顔を上げてください！」
　隊2「そうッスよ、渡辺さん！」
どうやら、新しい上司の謙虚な態度に混乱したらしい。隊士達は口々に顔を上げてくれと頼み込んだ。
　歩「そうか･･･?では早速だが、稽古を再開するとしよう。いいですよね、組長？」
　沖「うん。構わないよ」
　歩「拙者も相手をしよう。我はと思う者は、拙者の前へ」
　すると、意外な人が私の前にたった。
　斎「俺の相手を頼めるか？」
　沖「え？一君？」
これには、沖田さんもビックリ。
　歩「別にいいですが、連戦して平気ですか？」
　斎「構わぬ。総司を負かしたその腕前、一度見てみたい」
わ～目が本気だ、この人。そういえば、“沖田は猛者の剣、斎藤は無敵の剣”って謳われているんだよね。ウズウズしてきた。
　歩「分かりました。売られた喧嘩は、買うのが礼儀です。沖田組長、審判をお願い出来ますか」
　沖「分かった」