桜の龍~誠の元に集う者~
 翌朝ーーーー。
 全「何じゃ、こりゃーー?!」キィーンッ
朝一で屯所中に幹部の大絶叫が響き渡り、部屋の机で眠りこけていた私は飛び起きた・・・は良かったものの寝ぼけ眼のせいで部屋の柱に激突してしまった。
 ゴンッ! 歩「~~~~ッ!!」
痛みに悶絶しつつ『桜花龍』と『東雲』を差してから、広間に急行。
 ガラッ 歩「何事ですか?!」
そこに広がっていたのは・・・
 崎「歩、何やコレ?!」
 源「こら、止めなさい!くすぐったいじゃないか」
 主人とのスキンシップを図ろうとする式神達が、幹部にじゃれついていた(笑)。こんな風に作った覚え、無いんだけど。
 歩「お止め、式神達!自分の主人を、困らせるで無い!」
式神達も自分を作った者の命には、きちんと従う。私の一喝で一気におとなしくなる。
 近「渡辺君、これは一体?」
 歩「不測の事態に備えて私が作った式神というか、分身・・・のようなものです」
 平「なんか、すごい人懐っこいな」
ごめんなさい。私自身、何故にこうなったのか謎なのだ。
 新「すごいな、こんなのも出来るのか!」
 歩「体力をごっそり持っていかれますけど」
 土「そうなのか?」
自分の腕にとまった鷹をチラ見して、土方さんが言う。
 歩「龍の子と言えど、万能ではありません」
 総「何で、白いの?」
 歩「術の影響で白くなるの。緊急時には即戦力や伝令役になるので、存分に使って下さい。名前も好きに付けて構いませんよ」
 式『名前を付けて下さいよ~』
 全「なっ!」
 これには私以外、全員ビックリ。喋るのだから。
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