桜の龍~誠の元に集う者~
 近「それは誠ですか?!」
 新「人が命懸けで守ってきたってのに!」
 おっ、ちゃんとシラを切ってる。
 歩「成敗するので?」
 錦「無論だ」
そりゃ、濡れ衣を着せられるのは私だって御免だ。
 山「ならば、こちらからも人手を割きましょう。相手も何人いるのか、分かりませんから」
 芹「すまんのぉ。頼めるか?」
 土「とすると同行するのは、総司・新八と斎藤くらいか」
 歩「あの~拙者は?」
 土「てめぇは、留守番してろ」
ちっ、即答かい。行きたいよー大坂。
 芹「出立は明朝。それまで体を休めておけ!解散じゃ!」
 近「渡辺君。すまんが、総司の荷造りを手づだってやりなさい」
 歩「承知しました。沖田組長、参りましょう」
 総司を促し、広間を出ようとした時だった。
 芹「渡辺。お主、儂に何か隠し事をしてはおるまいな?」
ギクリ(汗)。確かに・・・してますねーー、隠し事。でも、女はミステリアスなのが美人の条件です。
 歩「人には誰にも言えぬ秘密の一つや二つは、あるものですぞ」
 芹「そうか・・・。不粋な事を聞いたな、忘れてくれ」
 えぇえぇ、忘れますよーー。不粋な事を組織の長に失礼な言葉を吐きつつ、総司と共に広間を後にした。
 総「ごめんね、僕の荷造りの手づだいをさせちゃって」
 歩「大丈夫だよ。今日は非番の日だし」
 打ち合わせを済ませ、総司の荷造りをてづだう為に、総司の部屋にやって来た。初めて入る上司の部屋に、私の心臓はかなりのハイペースで脈を打っている。
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