桜の龍~誠の元に集う者~
 総「歩ちゃん、そこにあるソレを持ってきてくれるかな?」
 総司が指差したものを手に取る。どうやら、何かが入ってる箱のようだ。ソレってこれかな?
 歩「この木箱?」
 総「うん、ソレ。ありがと」
何が入ってるんだ、あの箱?気になる。
 歩「何が入ってるの、その箱?」
 総「刀の手入れ道具一式」
 なるほど、愛刀の手入れは現地でもやりたいのね。まぁ、幹部の刀はほとんどが名刀だもんな。
 歩「確か総司の刀って、『加州清光』と『大和守安定』だったよね?」
 総「正解、よく知ってるね」
 歩「だって幹部の皆が使っている刀は、ほとんどが名刀だもん!それに、どこから来たのか忘れた?」
 忘れました。なんて言わせません!
 総「ごめんごめん、未来から来たんだもんね。という事は、皆の刀の名前を知ってるの?」
 歩「源さん以外は、全員の刀の名前を言えるよ」
 総「言ってー!気になってたんだ、特に土方さんのとか」
この半月、一緒に仕事して分かったけど、総司ってすごい頑固者なんだよね~。
 歩「近藤さんのは『長曾根虎徹』、山南さんのは『赤心沖光』、土方さんのは『和泉守兼定』、一のは『池田鬼神丸国重』、平助のは『上総介兼重』、新八さんのは『手柄山氏繁』、左乃さんのは『江府住興友』だよ』
 総「へぇ、皆もいい刀を使ってるね」
 歩「総司の『加州清光』も名刀じゃん。それに比べたら、私の『桜花龍』なんて・・・」
 基本的に戦いの時は薙刀を使用する為、手入れをする時以外は引き抜かない私の愛刀・『桜花龍』。いつか、この刀を振るう時が来るのだろうか。
 
< 74 / 117 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop