桜の龍~誠の元に集う者~
 そうだ。式神達の様子を確認しないと。
 歩「式達、出ておいで」
 呼ぶと、幹部の着物の袂から形代が飛び出し、それぞれの動物の姿になった。
 全式『歩様ーー!遊んで下さい!』
 歩「のわぁ?!」
一斉にのし掛かられて、後ろに転倒する私。
 土「式神共!渡辺が圧死しちまうだろが!下りろ」
 歩「土方さんの言う通りだ、下りんか!!」
 式神達が下りたところで、そろそろと上体を起こし正座する。
 総「ところで、大坂の件なんだけど・・・」
 歩「北斗から大体の話は聞いた。どうやら、私が史実を話したせいで歴史が少し変わってしまったみたい」
陽気でのほほんとした空気から一転、急にシリアスな話に変わる。
 山「一体、どうすれば・・・」
 歩「とりあえず、このあとに起こる二つの事件については、本来の歴史の流れに任せてみようかと」
 一「分かった。これからも頼むぞ、ヤシロ」
 ヤ『はい』
 ヤシロとは、一の式神。性格は主に似るのでとても冷静沈着。因みに幹部の式神の名前は、上からこちら。
 近藤さん:虎徹、山南さん:白夜、土方さん:暁、総司:北斗、新八さん:天空、一:ヤシロ、源さん:三郎、平助:麻兎、左之さん:八它、山崎さん:陽炎。
 そこへ、芹沢と新見・そして第三者の気配が伝わり、私は慌てて式神を形代に戻した。
 芹「何ぞ、楽しそうじゃのぅ」
 錦「大勢の気配がしたんだが、気のせいか」
 芹沢と新見とやって来た第三者は、見たこと無い綺麗な女性だった。
 芹「出発以来じゃな、渡辺」
 歩「はっ。芹沢先生も、ご無事で何よりにございます」
すぐさま仕事モードに移行し、頭と体に叩き込んだ小笠原流の座礼で出迎える。
 女性「芹沢先生。沖田はんの隣に座ってはるあの男の方は誰どすの?えらい美形やし」
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