桜の龍~誠の元に集う者~
 後ろから肩を掴まれ振り返ってみると、そこには現代でいうところの“イケメン”の部類に入るであろう人物が2名立っていた。でも、彼らの着ている和服に見覚えがあった。そう、浅葱色(現在で言う、水色)に袖口を白く山形に染め残した、あの羽織。まさか・・・・・・・新選組?

 歩「あの~、つかぬ事をお伺いしますが・・・今って何年何月ですか?」
 でも、丁度いいや。この人達に年号を聞こう。
 ?1「君、頭大丈夫?今は文久3年の4月だよ」
文久3年の4月っていう事は、西暦に直すと1863 年。150年前の幕末の京都に来ちゃったか・・・・・・。 Oh my god !
 ?1「君、名前は?」
 歩「渡辺 歩」
 ?1「僕は、沖田 総司(おきた そうじ)」
 ?2「斎藤 一 (さいとう はじめ)」
 確か、文久3年の4月という事はまだ新選組という名前ではなくて、壬生浪士組といったはずだ。
  (新選組という名前になるのは、同じ年の9月からです by 作者)
 歩「沖田総司と斎藤一って、あの壬生浪士組一番組組長と三番組組長の?」
 そう言った途端、一気に2人の顔が険しくなった。沖田さんに至っては、笑顔の裏に心なしか悪意を感じる・・・・・・(汗)。
 沖「なんで、僕たちの役職を知ってるの?」
 斎「怪しいな。その変な着物を着ている事といい、刀を持った浪士達相手に物怖じしないどころか竹刀で瞬殺した事といい・・・」
 変な着物って・・・。そりゃ、この時代から見たらブレザーは珍しいかもしれないけど。っていうか、2人共さっきの乱闘(?)まがいのアレを見てた、と?

 沖「というわけで、屯所へ連行するよ」
 斎「ついて来い」
 歩「分かりました・・・・・・」
 もう、どうにでもなれーー!!そんなヤケくそな心境のなか、沖田さんと斎藤さんに連行される形で屯所へと向かった。
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