Honey honey days
その日の夜。

知らない番号から電話が掛かってきた。
誰だろう?

「…はい。」
「あ、莉々菜ちゃん?俺、成瀬だけど。ごめん、勝手に番号聞いた。」

嘘、なんで?


「あ、そうなんだ。ねぇ、何で私の事…?」

「や、友達が可愛いって言っててさ、見に行ったらマジで可愛かったからさ。」

うわ、抜群にちゃらい。
だって噂で聞いたことがある。
成瀬くんには年上の彼女がいるとか。


「ごめん。私、ちゃらい人苦手だから。」

電話を切ろうとすると、

「待って、じゃあ友達でいーからさ。取りあえず仲良くなろーよ。」

思わず手を止める。
…友達ならいいかもって思っちゃった。


「うん、分かった。」

「俺、成瀬 拓海。”タク”って呼んで。」
「私は牧原 莉々菜…。」

「莉々菜ね。明日教室会いに行くわ。」

「…う、うん。」


これが私とタクの出会いだった。
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