となりの王様


写してる最中、
また何か余計なことを言ってこないか
ビクビクしていたけど…。

開始10分。特に会話なし。
教室ではあたしが動かしている
シャーペンの音だけ。

岩田くんは…スマホを見ていた。

さっきのやりとりを思い出すと
ちょっと悔しい。
でも横顔もカッコいい…。

「終わったの?」

無意識のうちに、手を止めて
岩田くんを眺めていた。

無意識って怖い!!

「えーっと…あと半分?」

正直に…ここは正直に。

「え、まだ書き終わってないの?
もう15分経ったよ?」

何も言い返せない…。
だって隣が気になって
集中できない!!(言い訳)

すると岩田くんが身を乗り出して
あたしのノートを見てきた。

イキナリさっきまで見惚れてた顔が
すぐ近くに来てドキリ。

「へー…意外と字はきれい。」

!?



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