二重人格
奈々と新奈
一人の少女が泣いていた。
そして、呟いた。
「ねぇ…新奈
どうしてみんな私のことを拒絶するの?」
周りには誰もいない。
たが、少女の呟きは問いかけだった。
『そうね…
誰も奈々ことを理解していないからよ
大丈夫…私はあなたのことをちゃんと理解しているわ
それにいつかあなたのことを受け入れてくれるひとがあらわれる』
「そうかな?
私のことを受け入れてくれるひとなんているの?」
誰が少女に答えたのだろうか。
少女は誰かに励まされているようだ。
『えぇきっと…だから、もう少しの辛抱よ』
「うん
でも、新奈だけはどこにもいかないでね」
新奈と言われた人物は勿論周りにはいない。
しかし、少女ははっきりと“新奈”と言った。
『えぇ、私はずっとあなたと一緒よ』
「ありがと新奈
今は、新奈がいてくれるだけでいい」
少女はいったい誰にありがとうと言ったのか?
いったい新奈とは誰なのか………?