あした、地球に星が降る。

「しかもさ、青春真っ盛りなはずなのに青春なんてした覚えなくない? おかしいじゃん」



コータが「え、そこ無視しちゃうの」と訴えるが、アカリはそれさえも完全にスルーだ。



「こんな今どきありえないくらいキッビシイ校則守ってさ、青春なんてできるわけないじゃん。 恋愛禁止とかいう校則がいちばんわけわかんないし」

「な。 ほんと、わけわかめんたいこぶとりじーさんだよな」

「ほんとわけわかめんたいこ……なんだっけ」

「こぶとりじーさんな」

「あーね」



アカリとコータが通う私立高校は県内でも校則が厳しいことで有名な進学校だ。偏差値はズバ抜けて高いわけではないが、校則の厳しさならどこと比べてもズバ抜けている、と生徒たちは口を揃えて言う。


制服の着こなしはもちろん、化粧は色付きの薬用リップでさえ禁止。 髪は肩にかかるとアウトだし、前髪もピンでぴっちり。

0時間目なんて意味不明なものがあるうえに、授業終了は8時間目。遅刻は一回でもすると大量の反省文。

ちなみに、自転車通学の場合は学校指定のダサいヘルメット着用必須だ。せめて、自分で買わせていただけないものだろうか。


言い出したらキリがないが、その中でも特に生徒たちが不満に思うのが『男女不純異性交遊禁止』。 つまり、『恋愛禁止』という校則があることだ。
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