あした、地球に星が降る。
だから、高校生になってからは中学時代の同級生とはあまり遊ばないようにしていたし、通学のときはわざと遠回りなんかをすることもあった。
でも、こんな今どきの高校生らしくない高校生活がどんなに嫌になっても、ほとんど休まずに約二年毎日この学校に通い続けた理由は、コータだけじゃなく、きっとみんな同じだった。
「大学生、なりたかったなあ……」
閑散とした教室に、廊下に。
アカリの小さな声は思ったよりもずっと響いて、遠く遠くに消えていった。
「……パリピになるのが夢だった」
アカリのその唐突な発言にぶはっと吹き出しながらも、コータも首をたてにふる。
「あー、めっちゃわかるわー。 ていうか、正直この高校通ってるやつだいたいそう思ってるだろ」
「私の人生、第一志望のとこ落ちてここに滑り止めで入った時点で終わってたんだ」
「んなことないって、頑張ったじゃん。 行きたい大学行くためにさー」
アカリとコータの高校は校則がズバ抜けて厳しいことでも有名だが、もうひとつ。 入学時こそ難関校に落ちた人や、難関校を受けられるレベルに達しなかった人が入学するものの、入ってから学力がぐんと伸びる学校としても有名だ。