あした、地球に星が降る。
世間一般に難関と言われるレベルの大学に合格する生徒を毎年多く輩出しているし、そこそこ名前のきく付属大学にエスカレーターで内部進学することも可能だ。
大学こそは、という強い念を持った生徒たちが集まるのだ。
「でも、行けないじゃんか。 あした、みんな終わっちゃうし、全部無駄だった」
「……まあ、なー」
そして、アカリとコータもまた、難関高校に落ち、大学こそは、という思いでこれまで頑張ってきた生徒のうちのひとりだ。
「もー! なんのために今まで頑張ってきたのかわかんないじゃんっ。 つらーい!」
頬を膨らましてわざとらしく泣き真似をするアカリに、コータも「つれぇー!」と笑いながらアカリの真似をする。
「問題児のわりに、なかなか成績よかったもんな」
「定期テスト、常に10番目には入ってたもん」
へへん、とアカリが腰に手を当て自慢気に言う。
「うーわー、つよすぎだろ」
「かっこいいっしょ」
「かっちょいいっす」
頬をほんのり染め、へへへと鼻の頭を人差し指でなでるアカリ。
その向こう側では、ぴかぴかとカラフルな星屑たちがもうずっと止む気配なく灰色の空から落とされている。
「あした、降るんだな。 星が」