あした、地球に星が降る。
そんなある日のこと。ノイズ混じりのアナウンスが、世界中に響き渡りました。
【……ピー、ガガガ
ピーガガガガ……
きん……ニュースで、す。
緊急ニュ……です。】
人々はその嫌な音に顔をしかめながらも、そっと耳を研ぎ澄ませます。
【…なさん、落ちついて聞いてください。】
ノイズが消えて、キン、と世界に緊張が走ります。
そのとき、世界中の誰一人として、声を発する人はいませんでした。
遊園地でデートをしていたカップルも。
ギターをかき鳴らしていたミュージシャンも。
盗みを働こうとしていた泥棒さんも。
【あした、地球にーー。】
そう、誰一人として。
【みなさん、どうか素敵な一日を。】
20xx年12月21日、世界が静寂に包まれたある日のことでした。