あした、地球に星が降る。
……出会わせてあげたかった、恋に落ちるはずだったふたりを。 仲直りさせてあげたかった、大好きだったはずの家族と。
ごめんね、ごめんね。 あなたを思うと、胸が苦しくなる。
誰にも秘密だったあのノート。もし次にあのノートを開く人がいるのならば、それは私じゃない他の誰か。もうあのノートは続かない。
あの子はハッピーエンドを待ち続けている。
……でも、なぜだろう。 心のどこかで、あの子なら大丈夫なんじゃないかと期待している自分がいる。
あの子が生まれたのは、「ああ、私はもう長くないんだな、そう遠くない未来にこの世界から消えてしまうんだな」と悟った時だった。 今までとは比べものにならないほどの苦痛に抗うように私はペンを取った。
私に元気を与えてくれるような子になって欲しいと願いながら生み出した子。 手が震えて書くことが難しくなっても、最後の最後まで私とともに歩み続けた子。
これからいくつもの苦難を乗り越えて、ハッピーエンドを掴み取るはずだったあの子なら。
きっと大丈夫だよね。私がいなくたって踏み出せる。歩き続けられる。
待ち続けてなんかいない、きっと自分の手で。
『リョウコ、リョウコ……!』
『リョウコさんっ……』
ただの勝手な願望だってわかっているけれどそうであってほしいと強く祈りながら、私は星降る夜に身を溶かした。