お前、可愛すぎてムカつく。
「榎本さんどこ行ったのかと思ったら…ここにいたんだ」
「うん…勝手に部屋出ちゃってごめんね…」
「別にいいけど…」
「さっ!ごはんできたから食べよ?」
ママさんが私の背中を押してダイニングテーブルの椅子に座らせてくれた。
食事中はちょっと緊張したけど、ママさんも唯ちゃんも話しかけてくれて、楽しく過ごせた。
桐谷くんの家族って温かくていいな…
みんな仲良さそうだし、素敵。
「それにしても、お兄ちゃんが女の子連れてくるって珍しいよね?」
「そうね~あまりないよね」
二人の会話に耳を疑った。
こんなに遊んでる人が、女の子をあまり連れてきたことないって!?
桐谷くんを見ると、一瞬目があってすぐ逸らされた。
ってことは、家族は桐谷くんの女関係のことは全く知らないのかな…。