お前、可愛すぎてムカつく。
桐谷くんのウェイター姿を想像してしまう。
きっと女のお客さんに人気なんだろうな。
「バイト午後からだからその前に送ってやるよ」
「え!!い、いいよっ」
「彩ちゃん、遠慮することないからね?」
横でママさんに言われ、私は頷いた。
嬉しいけど…なんかさっきから桐谷くんのこと意識しちゃってダメなんだよね…。
顔に出てないか不安。
昼前に桐谷くんちを出た私たちは一緒に電車に乗りこんだ。
休日の電車は家族連れやカップルで混み合っている。
私達はなんとかドアの前に立つことができた。
横にいる桐谷くんは、車窓から外を眺めている。
私服の桐谷くん…なんか大人っぽい。
この人は何を着ても似合うんだな…
「そーいえばさ」
「え!?」
突然こっちを向いたから驚いた。
桐谷くんのこと見てたのバレてないよね!?