お前、可愛すぎてムカつく。
「この前は言い過ぎた」
え…
この前って…
私がショック受けて教室出てった時のこと?
この人が謝ることなんてあるの!?
「ううん…大丈夫」
「あの日、周りからなんか言われたりした?」
「うん…朝から女の子たちに色々言われたよ」
「やっぱりな…」
桐谷くんは、ため息をつく。
「うぜぇんだよ、一回遊んだくらいで」
ボソボソと独り言のように言う。
もしかして…桐谷くんは私を守ってくれたとか?
周りから言われないように、わざとあんな言い方で否定してくれたのかな?
なんて、都合いいように考えたらダメかな…?
どうしよう…そうだったらすごく嬉しいんだけど。
って、やっぱりこれって好きになってるよね…
とんでもない人を好きになってしまった自分にため息が出たけど、この気持ちは誰にも変えられない。