お前、可愛すぎてムカつく。



その時、駅について人が沢山乗り込んできた。


立っていた私たちは奥の方へと押しやられる。


そして桐谷くんとの距離もすごく近くなった。


顔をあげたらすぐに桐谷くんの顔があるから俯くしかない。


「近いね」


「う、うん…」


「照れんなよ、昨日同じベッドで寝た仲なのに」


「そ、そんな風に言わないでよっ…」


誰が聞いてるかわからないのに…!!


「そーいや、可愛かったな。榎本さんの寝顔」


「ええ!?寝顔…見たの!?」


私の方が先に起きたのに…いつの間に見てたんだろう!?


それに…今可愛いって言った!?


「うん。パグみたいで可愛かった」


「ブッ!パグって…」


やっぱそのオチですか…。


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