お前、可愛すぎてムカつく。


「俺、一途だよ?」


なんとも説得力のない…


「そんな疑いの目で見んなって」


「だって…」



そしてスマホを取り出してアドレス帳を開いて見せてきた。


そこには沢山の女の子の名前があったけど、一気に削除された。


「これで信じた?」


まさかここまでしてくるとは思わなかったから驚いた。


「うん…」


「榎本さんはどー思ってんの?」


俯いていた私の顔を覗きこんでくる。


こんなに近くにいると、好きって思いが溢れ出てしまう。


「私も…好きかも」


「マジで?」


コクンと頷くと正面からぎゅーっと抱き締められた。


「やっべーーー嬉しいわ」


桐谷くんの香りでいっぱいになる。

これ…夢じゃないよね?


ほんとに桐谷くんに抱き締められてるんだよね?


「絶対後悔させねーから」


「うん…」


< 129 / 307 >

この作品をシェア

pagetop