お前、可愛すぎてムカつく。
「俺、一途だよ?」
なんとも説得力のない…
「そんな疑いの目で見んなって」
「だって…」
そしてスマホを取り出してアドレス帳を開いて見せてきた。
そこには沢山の女の子の名前があったけど、一気に削除された。
「これで信じた?」
まさかここまでしてくるとは思わなかったから驚いた。
「うん…」
「榎本さんはどー思ってんの?」
俯いていた私の顔を覗きこんでくる。
こんなに近くにいると、好きって思いが溢れ出てしまう。
「私も…好きかも」
「マジで?」
コクンと頷くと正面からぎゅーっと抱き締められた。
「やっべーーー嬉しいわ」
桐谷くんの香りでいっぱいになる。
これ…夢じゃないよね?
ほんとに桐谷くんに抱き締められてるんだよね?
「絶対後悔させねーから」
「うん…」