お前、可愛すぎてムカつく。

体が離れたと思ったら、今度は優しく両手で私の顔を包んできた。


「チューしていい?」


「そっそんなこと聞かないでよっ」


「いや、最初だから聞いた方がいいかなと思って」


そんなこと言うから余計に緊張してしまう。

桐谷くんの顔が近づいてきて、私は慌てて目を閉じた。



初めてのキスは一瞬だったけど、優しくて温かかった。


わたし…彼女になったんだ…。



「彩、緊張しすぎ」


「あ、彩!?」


「彩でしょ?付き合ってんだから彩も下の名前で呼べよ」


下の名前って…



「蒼空……?」


わー!!


下の名前呼んだだけでも恥ずかしくて死にそう。


「照れんなって…俺も移んじゃん」


「うん…」


「彩さぁ…学校ではしばらく一人で行動すんなよ?」


「え?なんで?」


「颯太くん、またなにしでかすかわかんねぇから」



「あ…うん」


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