お前、可愛すぎてムカつく。
「クソが」
蒼空がボソッとつぶやく。
「え!?私!?」
「違げぇし!アイツだよ、松林!」
「ああ…。なんかいつもの先生じゃなかったよね」
「意外に敵が多いな…」
「敵?」
「アイツも彩に気があんだよ」
「嘘でしょ!?」
先生が…私なんかを…ありえない!
「思い当たることねぇの?」
「ないよ!全然!!」
そう言ってから思い出した。
この前一緒に花壇の水やり手伝ってくれたり、帰りに送るってしつこかったり。
でも…でも…
松林先生がまさか…。
「松林とも二人っきりになんなよ」
「な、なんないよっ。それに先生が私なんかを好きなわけないもんっ」
「とにかく、二人っきりにはぜってぇーなんな。いいな!?」
少し強めな口調で言われた。
心配してくれるのは嬉しいけど、ムキになりすぎじゃ…