お前、可愛すぎてムカつく。
「おいおいおい、美人が台無しだな」
その時、松林先生の声がした。
水原さんは慌てて私から離れ、バツが悪そうな顔をしている。
「水原~女の子がそんなことすんなよ」
「べ、別に私は何も!」
そう言って足早に去ってってしまった。
ふっと肩の力が抜ける。
水原さんの迫力に圧倒されて言葉がでなかった。
めっちゃ怖かったな…。
「大丈夫か?」
「先生…ありがとうございました」
「たまたま通りかかってよかったよ。もしかして桐谷と付き合ってるのが原因?」
「あ…」
松林先生はため息をついて私の肩に手をおいた。
びくっと体が反応する。
「なんかあったらいつでも相談に乗るからな」
いつもの笑顔でそう言ってくれた。
私、なにびびってるんだろう。
先生は普段通りだし、何も怖がることなんかないのに。
それより、先生がいなかったら水原さんに何されてたか…