お前、可愛すぎてムカつく。

「おいおいおい、美人が台無しだな」


その時、松林先生の声がした。

水原さんは慌てて私から離れ、バツが悪そうな顔をしている。



「水原~女の子がそんなことすんなよ」


「べ、別に私は何も!」


そう言って足早に去ってってしまった。


ふっと肩の力が抜ける。


水原さんの迫力に圧倒されて言葉がでなかった。


めっちゃ怖かったな…。



「大丈夫か?」


「先生…ありがとうございました」


「たまたま通りかかってよかったよ。もしかして桐谷と付き合ってるのが原因?」


「あ…」


松林先生はため息をついて私の肩に手をおいた。

びくっと体が反応する。



「なんかあったらいつでも相談に乗るからな」


いつもの笑顔でそう言ってくれた。


私、なにびびってるんだろう。


先生は普段通りだし、何も怖がることなんかないのに。


それより、先生がいなかったら水原さんに何されてたか…

< 137 / 307 >

この作品をシェア

pagetop