お前、可愛すぎてムカつく。



「ねぇねぇ彩ちゃん!蒼空と付き合ってるってほんと!?」


その時隣に座っていた渉くんが私の肘を突っついた。


「うん…今回はほんと…」


「マジでー!?なんで急にそんな展開に!?」


「私もよくわからないんだけどさっ」


「まぁ…蒼空のキモチにはうすうす感づいてたけどね」


渉くんが蒼空の方を見て笑っている。



「え!!本当?私全然気づかなかったよっ…」


「コラ榎本!」



先生が私の頭を小突いた。


や、ヤバイっ今授業中だった…



「俺の授業でおしゃべりとはいいご身分だなぁ~」


先生は他の先生みたいにあまり本気で怒ったりしないし、注意するときも和やかなムードになって笑いをとったりする。


生徒から人気があるのもわかる。


今も私の頭を両手でわしゃわしゃしながら笑っていて、クラスのみんなもそれを見て笑っていた。


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