お前、可愛すぎてムカつく。

「やめてくださいよっ!!」


「ちゃんと真面目に聞くかー?」


「聞きます聞きます!」


みんなの前なのに頭グシャグシャにされて恥ずかしい。



……ダンッッッ!!



突然、机を強く叩いた音が教室に響き渡った。


叩いたのは蒼空だった。


蒼空が俯きながら拳を机の上に置いている。



一瞬にして体が固まった。



クラスは一斉に静かになり、みんな蒼空に注目していた。



「くだんねぇことしてないで、早く授業再開してくれませんか?」



顔をあげた蒼空はかなり不機嫌だった。


眉間にシワを寄せ、先生を睨み付けている。


怖くて思わず目をそらしてしまいたくなるくらい。


先生も驚いているようだった。




「悪かったな桐谷…」



先生はそう言って教壇に戻った。




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