お前、可愛すぎてムカつく。


蒼空…どうしてあんなこと…。


あんな反感買うような目で…


蒼空らしくない。



彼はいつも周りには笑顔で、頭もいいから先生たちからも評判が良くて…


だからこんな蒼空は初めて見た。


クラスのみんなも驚いている。



「じゃあ…ついでだから桐谷。この英文を訳せるか?」


先生がコツコツと音をたてて黒板に書いた文章を見て、みんながざわつく。


その問題はありえないくらいの難問だったから。


高校生にこんな問題わかるの!?

いくら蒼空が頭よくたって…



すると蒼空は立ち上がり、片方の口角を上げた。


そしてスラスラとなんの迷いもなく答えていたけど、それが合っているのか私にはわからない。


だけど先生は苦笑いしていた。



「さすがだな桐谷、こんな難題も簡単に解けるとは」


「じゃあ先生、逆に問題出していいですか?」


「え?俺に…か?」


みんながざわついた。

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