お前、可愛すぎてムカつく。
「じゃ、じゃあ…小テスト始めるからなっ」
顔を赤くした先生がプリントを配り始めた。
怒ってるっぽい。
あまり先生を挑発しないでほしいのに…
テスト中に蒼空の方を見ると、また机に伏せて寝ていた。
私はというと、テストどころじゃなくて半分白紙で出すことになった。
ああ~!もうっ全部蒼空のせいだぁー!
休み時間、私は勇気を出して蒼空に声をかけた。
周りにいた蒼空の友達が冷やかしてくる中、女の子たちからは冷たい視線が…
「こんなとこに呼び出して…なに?」
人目のつかない場所…と思い付いたのが視聴覚室だった。
蒼空は不機嫌な顔をしたまま、窓辺に寄りかかる。
「さっきの…なんで先生にあんなことしたの?」
「ムカつくからに決まってんだろ」
「だからってあんなガキみたいな…」
「ガキなのはあっちだから。俺に出した問題、大学入試レベルだかんな?」
「え!?」
「なに考えてんのかしんねぇけど、あっちから吹っ掛けてきたんだから俺だって黙ってねぇよ」