お前、可愛すぎてムカつく。
蒼空はまだイライラしてるっぽい。
「あのドイツ語の和訳って…」
「あぁ。お前に手出したらただじゃおかねぇって書いた」
「えぇ!?なんでそんなこと!?先生は私のこと変な風に思ってないって!」
するとハァーーーーっと長いため息をつかれた。
「わかってねぇんだな…」
「な、何が!?」
「とにかく!彩は俺のもんなんだから他のやつとベタベタしない!」
蒼空の両手が、私の頬を覆った。
温かくて、そして顔が近くなってドキドキする。
「ベタベタなんて…してないし」
自分だって今まで散々他の女の子たちとベタベタしてたのに。
「してんだろ。松林と楽しそうに教室入ってきたくせに」
「楽しそうになんかしてないじゃん!ただ…」
突然蒼空の唇が私の口を塞ぎ、しゃべれなくなってしまった。