お前、可愛すぎてムカつく。
そんな私の顔を見て、蒼空が自分の口を手で塞いだ。
「どうしたの…?」
「いや……お前かわいすぎっから…」
蒼空も照れてるのか、口を押さえたままだった。
「そんなこと言うなんて…蒼空らしくないっ」
「そう?てかさ、そんな顔見せられたらもっとしたくなる」
ぎゅっと強く抱きしめられる。
お互い体に熱を持っているせいか、暑くなってきた。
「彩のこと、鳴かせてぇ」
なんで返したらいいのか…
言葉が出ませんが。
「でも俺無理やりとかやだからさ。お前の気持ち整理つくまで待ってる」
私は頷いた。
蒼空はちゃんと考えてくれてたんだ。
遊び人だった昔の姿は、もうそこにはなかった。
私のことだけを考えてくれている、優しい彼氏。
嬉しくてまた泣けてきた。
蒼空…
大好きすぎるよ。
私は蒼空にどっぷりハマっていた。
だからあの人の異変には全く気付かなかったんだ。