お前、可愛すぎてムカつく。


「え…」


「授業で変なドイツ語を…」


「ああ…あれな。あとから和訳してわかったよ。俺って教師失格だよな~」


ハハッと軽く笑い飛ばしてくれた。


先生は全然気にしてないって感じだけど…


「あいつ頭良すぎなんだよな。時々ドキっとさせられる」



「いえ…。蒼空、なんか勘違いしてて…」



「…勘違い、、、か」


「あの…失礼な事して本当にすみませんでしたっ」


頭をさげると、すぐに「顔をあげて」と言われた。



「榎本はそんなこと気にしてたのかー?」


「はい…もしかして先生が体調崩したのってこれのせいだったんじゃないかって…」


「ハハハッ俺はそんなにやわじゃないよ。風邪がちょっとひどくなっただけだから」


私の頭をポンポンとしながら笑っていた。


胸の中にあった、不安が少しとれる。


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