お前、可愛すぎてムカつく。


最悪―――


蒼空が怒るのも無理ないよね…



駅前のコンビニに寄ると、渉君が立ち読みしていた。


あれ…?確か蒼空と一緒に帰ったはずじゃ…



「渉君…?」


こちらを見た渉君は、すごく驚いていた。



「彩ちゃ…そ、それどうしたの…」


引きつった顔で私の方を指さしている。


「え?」


「服!ボタンが…」


「あっ…」


私は思わずブレザーで前を隠した。


どうしよう、先生の事で頭がいっぱいだったからブラウスのボタンがないの忘れていた。



「ちょっと外出よ!?」



渉君は血相を変えて私の手首を掴むと、コンビニの外へ出て、人気のない場所まで私を引っ張って行った。


そして振り返って…


「誰にやられたの!?」


と、私を問い詰めた。


ヤバイ…渉君に知られたら蒼空にも知られてしまう…



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