お前、可愛すぎてムカつく。


6時ごろが混雑のピークかもしれない。


片づけたと思えばすぐに次のお客さん達がやってくる。


本当に目が回る仕事だな…


バッシング中、食べ終わった食器をトレンチの上に何重にも重ねてみた。


このくらいだったら持っていけるかも。


練習しなきゃね…


そう思ってトレンチを片手で持ち上げた瞬間…


予想以上に重くてバランスを崩してしまった。


や、やばいっ食器が…



ガシャンッ…!



「おいっ…」



その時、後ろから誰かがトレンチを支えてくれて、お皿は床に落ちなくて済んだ。



「ありがとうございま…」


振り返るとそこには蒼空がいて。


助けてくれたのは蒼空だったんだ…!


胸がドキドキと高鳴りだす。


「何やってんだよっ」


「ご、ごめん…」


「慣れてねぇんだからこんなに重ねて持っていくんじゃねーよ」


蒼空はそう言ってトレンチの上で倒れたお皿や入れ物を直して持ってくれた。


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